相続時精算課税制度のメリットは何か?デメリットも合わせて解説

相続や贈与に関する税制は複雑で、制度ごとのメリットやデメリットが分かりにくいと感じていませんか?特に「相続時精算課税制度」は、うまく活用すれば大きな節税効果が期待できる一方、注意すべき点も多い制度です。この記事では、相続時精算課税制度の仕組みや2024年の改正ポイント、メリット・デメリット、注意点まで詳しく解説します。自分にとってどんな選択肢が合うのか、知っておきたい方はぜひ読み進めてください。
相続時精算課税制度とは
相続時精算課税制度とは、親または祖父母(贈与者)が子や孫(受贈者)に財産を贈与する際、累計2,500万円まで贈与税が非課税となる制度で、贈与を受けた段階では贈与税はかかりませんが、生前に行った贈与は贈与時の評価額で相続財産に加算し、相続税としてまとめて精算する仕組みです 。
2024年1月からの改正により、累計2,500万円の特別控除に加えて、年間110万円までの基礎控除が新設されました。この基礎控除枠は、贈与税・相続税ともに非課税で、相続財産に加算する必要もなく、贈与税の申告も不要です 。
制度を利用できるのは、贈与者が60歳以上、受贈者が18歳以上(2022年以前は20歳以上)であることが条件です。贈与を受けた年の翌年3月15日までに、「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書に添付して提出する必要があります 。
累計2,500万円を超えた場合は、超過分に一律20%の贈与税が課されます 。ただし年110万円以内であれば、贈与税も相続税も発生せず、相続財産に含まれないという点が、改正による大きなポイントです 。
以下の表は、主な制度内容を整理したものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 非課税枠(特別控除) | 累計2,500万円まで贈与税非課税 |
| 基礎控除(2024年~) | 年間110万円まで非課税・申告不要・相続財産に加算不要 |
| 超過分の税率 | 累計2,500万円超過部分に一律20%の贈与税 |
相続時精算課税制度のメリット
相続時精算課税制度には、まとまった額の贈与を早期に行いたい方や、将来的に資産価値が上昇する資産をお持ちの方にとって、大きなメリットがあります。以下に主なポイントを整理しました。
| メリット | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 高額の贈与が非課税 | 年間110万円の基礎控除に加え、累計2,500万円まで特別控除があり、それまでは贈与税がかかりません。 | 高額資産の移転が一括で可能になり、税負担が軽減されます。 |
| 贈与税が一律20% | 2,500万円を超えた分についても、一律20%の税率が適用され、暦年贈与の累進課税よりも税率が抑えられる場合があります。 | 贈与額に応じた税率よりも税負担を軽減できるケースがあります。 |
| 将来値上がりする資産への対応 | 不動産や有価証券など将来値上がりが見込まれる資産を贈与する場合、贈与時の評価額で相続税が計算され、相続時の値上がり分が節税につながります。 | 将来的な相続税の負担を軽減する効果があります。 |
これらの制度設計により、例えば多額の資産を早期に次世代へ移したい方、収益性や成長性が期待できる資産をお持ちの方にとって、相続時精算課税制度は有効な選択肢となります。ただし、どちらの課税制度を選ぶかは、贈与額や相続時の状況によって異なりますので、専門家への相談もご検討ください。
相続時精算課税制度のデメリット
相続時精算課税制度には魅力的なメリットがある一方で、以下のような注意すべき点があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 暦年課税への変更不可 | 一旦相続時精算課税制度を選択すると、同じ贈与者・受贈者間では暦年課税へ変更することができません。基礎控除110万円を毎年使えなくなるため注意が必要です。 |
| 不動産贈与時の制限と税負担増 | 例えば不動産を贈与した場合、相続時に利用できる小規模宅地等の特例が適用されず、相続税評価額の大幅減や節税効果が失われます。また、不動産取得税や登録免許税(登録免許税率2%、不動産取得税率約3%)などのコストが追加されます。 |
| 申告手続きの手間とリスク | 制度選択後、不動産の価額が少額でも毎回贈与税の申告と相続時精算課税選択届出書などの書類提出が必須となり、申告漏れや手続き忘れによって追徴税や不利益が発生する可能性があります。 |
これらの点をふまえると、制度選択には将来の相続内容や贈与額の見込み、資産の性質などを総合的に検討する必要があります。特に不動産を含む財産の贈与を検討される際には、小規模宅地等の特例の適用可能性との比較や、登録免許税・不動産取得税などのコスト面への配慮が重要です。
制度の活用時に注意すべきポイント
相続時精算課税制度を活用する際は、暦年課税との比較を丁寧に行い、どちらがより税負担を軽減できるかを判断することが重要です。たとえば、相続までの期間が短く、贈与額が大きいときには相続時精算課税が有利になる場合がありますが、長期間にわたって少しずつ贈与する場合は暦年課税のほうが有利となることもあります。具体的には、贈与額や贈与期間、財産総額などの条件によってどちらが適しているか大きく変わりますので、制度選択は慎重に検討する必要があります。
また、贈与する資産の性質、特に将来の値上がりや収益性(例えば賃貸不動産や有価証券など)が高い場合には、この制度の利用が一層効果的です。相続時精算課税制度では贈与時の時価で相続財産に加算されますので、値上がり見込みのある資産を早めに移転することで、結果として相続税を抑えることが可能です。
さらに、この制度には税務申告・制度上の制限が多いため、事前に専門家への相談が不可欠です。たとえば、贈与者が60歳以上で受贈者が18歳以上の子や孫であること、初年度に「選択届出書」を提出する必要があること、また一度この制度を選択すると暦年課税に戻すことができないなどの点には特に注意が必要です。加えて、小規模宅地等の特例が使えず、申告漏れや手続きを忘れると、結果的に大きな不利益を被る可能性もあります。制度選択の前には必ず税理士などの専門家に相談されることをおすすめします。
以下に、この制度を活用する際に重視すべきポイントを表形式でまとめました。
| 注目ポイント | 内容 |
|---|---|
| 暦年課税との比較 | 贈与額・期間・資産規模に応じて税負担を試算し、有利な制度を選択する |
| 資産の性質 | 値上がり・収益性のある資産は早期贈与で相続税軽減の効果が高い |
| 制度・申告の制限 | 要件確認、届出・申告の正確な実施と専門家相談が必須 |
まとめ
相続時精算課税制度は、一定額までの贈与が非課税となり、高額な資産移転を考える方には魅力的な仕組みです。2024年からは新たに基礎控除も加わり、選択肢が広がっています。ただし、一度選択すると他の課税方法へ変更できず、不動産を贈与した際の特例が受けられない点や、毎年の申告手続きにも注意が必要です。資産内容やご家庭の状況に最適な制度選択のため、事前に専門家に相談しながら賢く活用しましょう。
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