親の土地に子供が家を建てると税金はどうなる?注意点と対策を詳しく解説

相続


親の土地に子供が家を建てる際、「税金はどうなるのだろう」と悩まれる方は少なくありません。親子間の土地の貸し借りや譲渡には、聞き慣れない税金や法律上のルールが多く関わります。この記事では、「無償で借りる」「有償で借りる」「譲り受ける」といった各ケースごとの注意点や税金の仕組みを、やさしく解説します。失敗しない土地活用に向けて、ぜひ参考になさってください。

親の土地に「無償で借りて家を建てる」場合の税金の基本

まず、親の土地を無償で借りて家を建てる場合は、税法上「使用貸借」として扱われます。この場合、借主である子どもの権利は非常に弱く、使用権の価値は「ゼロ」と評価されます。そのため、使用貸借によって土地を使っているだけでは贈与税が課されることはありません。これは国税庁も明示しており、使用貸借による権利の価額は評価されないためです 。

ただし、相続が発生したときには注意が必要です。使用貸借に該当する土地は「借地権」が認められないため、評価上は借地権の控除がなく、親が自由に使える「自用地」として評価されます。その結果、相続税の評価額が高くなり、相続税負担が増える可能性があります 。

以下にこのケースの内容を表で整理しました。

項目内容影響
制度区分使用貸借(無償貸借)権利価額は評価されないため贈与税なし
贈与税発生しない使用権価値がゼロとされるため
相続税自用地評価で金額が高くなる相続時の評価額が上昇

親の土地を「有償で借りて家を建てる」場合の税金の扱い

親の土地を借りて家を建てる際、権利金や地代を支払うことで「借地権」が認められ、親子間であっても贈与税を回避できます。税務上、親から無償で土地を利用させると、それは「使用貸借」とみなされ、借地権の価額はゼロと扱われ贈与税はかかりませんが、有償で借地権を設定することで贈与税の課税対象とならなくなります。また、権利金に代えて「相当の地代」(土地の自用地価額に対して年おおむね6%程度)を支払うことで、借地権評価がゼロとなり、結果として贈与税や借地権認定課税を回避できる扱いとされています。

親に支払った権利金や地代は、親側にとっては所得となります。したがって、それらの収入は親に所得税の課税対象となり、確定申告や納税が必要です。税務上、こうした地代収入は「不動産所得」として取り扱われますので、適切な申告手続きを忘れずに行う必要があります。

さらに、借地権を設定することで土地の評価額が下がり、将来の相続税の負担を軽減できる可能性があります。不動産相続の際、土地の評価は「自用地評価額」ではなく、「借地権の分を差し引いた額」で行われるため、評価額が下がり節税につながるのです。例えば、借地権割合が70%であれば自用地評価額の30%が相続税評価額となります。これにより、相続税の負担を抑える効果が期待できます。

項目 税務上の扱い 備考
贈与税 権利金・地代を支払えば非課税 使用貸借と異なり、贈与とみなされない
親の所得税 権利金・地代は所得として課税 確定申告が必要
相続税評価 借地権設定により評価額が減少 借地権割合に応じた評価額に

親の土地を「無償または格安で譲り受けて家を建てる」場合の税金負担

親の土地を無償あるいは市場価格より著しく低い価格で譲り受けた場合、それは〈贈与〉とみなされ、贈与税が課される可能性があります。たとえば無償の名義変更や評価額を大幅に下回る価格(目安として時価の約八割未満)で譲り受けた場合、その価格差が贈与として扱われることがあります。これにより贈与税の対象となる点には、注意が必要です。

また、不動産取得税や登録免許税といった取得に伴う諸税も必ず発生します。たとえば、固定資産税評価額に基づき、不動産取得税は約3%、登録免許税は約2%となることが一般的です(時限的な軽減税率が適用されている場合もあります)。以下の表で費用のおおよその目安を示します。

項目税率・計算方法負担の目安(例:評価額3,000万円)
不動産取得税固定資産税評価額 × 約3%約63万円
登録免許税固定資産税評価額 × 約2%約42万円
備考贈与とは別に必ず必要な取得諸費用

消費税や司法書士手数料などは含んでいませんが、こうした税金が贈与税に加えて発生するため、譲り受けた当初の負担は軽くないことにご留意ください。

さらに、贈与後の相続に備えた節税策として、「相続時精算課税制度」や「暦年課税制度」の活用があります。相続時精算課税を選択すると、最大2,500万円までの贈与について贈与税が非課税となり、さらに年110万円の基礎控除も併用できます。ただし、贈与された財産は後に相続税の対象となり、相続税の計算にも組み入れられる点や、小規模宅地等の特例が使えなくなる場合がある点には注意が必要です。

住宅ローンや固定資産税といった関連経費・税金の考え方

親の土地に子どもが家を建てる場合、住宅ローンや固定資産税などの費用や税金についてもきちんと把握しておきたいものです。

区分概要注意点
固定資産税(土地と建物)土地・建物それぞれの所有者に課税されるため、土地は親、建物は子どもが負担軽減措置(住宅用地の特例)により税負担が軽くなる場合あり
共有名義の場合の固定資産税名義が共有であっても、納税は共有者全員の連帯責任となる持分に応じた分割課税はできないため、代表者への立て替え後の精算が一般的
住宅ローンと抵当権住宅ローンを組む際、抵当権を設定するのが通常で、建物の名義とローン借入名義を一致させることが望ましい名義や抵当権の設定に不備があると、将来の相続や贈与でトラブルの原因となる

まず、固定資産税は、土地と建物それぞれについて、所有者として登記されている者に課せられます。つまり、親の土地に子どもが建物を建てた場合、土地分の固定資産税は親、建物分は子どもが納めることになります。住宅用地には「小規模住宅用地の特例」があり、200平方メートルまでは課税標準が6分の1に、超過部分は3分の1に軽減される場合がありますので、活用すると負担軽減につながります。 

また、土地や建物の名義が共有になっている場合、固定資産税は持分に関係なく共有者全員が連帯して納税義務を負います。持分に応じて課税額を分けることはできません。実務では、納税通知書は代表者のもとに届き、代表者が一旦全額を立て替えた後、共有者間で清算する方法が多く採られています。 

さらに、住宅ローンを利用する場合、抵当権の設定が必要になります。建物の名義とローン名義が異なると、名義の整合性により将来の相続や贈与の際に問題が生じる可能性があります。例えば、登記上の名義人とローン契約者が異なると、どちらに権利があるのか争いの原因となりますので、名義は一貫させることが重要です。

最後に、相続税の節税対策として「小規模宅地等の特例」の活用を考えている場合、適用には細かい要件があります。相続税申告の期限までに相続人全員が同意し分割が完了していること、生前贈与による取得でないことなどが求められます。適用要件を満たせば評価額を最大80%減額できるため、大幅な節税につながりますが、要件不備により適用を受けられないと相続税が大幅に増加する可能性がありますので、慎重な対応が必要です。 

まとめ

親の土地を活用して子供が家を建てる場合、土地の利用方法や契約形態によって税金の負担が大きく変わります。無償で借りて建てる場合は、多くの場合で贈与税がかからない一方、相続時の評価が高くなる傾向があるため注意が必要です。有償で借りたり、土地を譲り受けたりする場合は、贈与税や所得税、不動産取得税などが発生する可能性があるため、事前の知識が重要です。住宅ローンや固定資産税を含め、名義や契約内容による違いを理解し、ご自身に最適な選択ができるよう準備することが大切です。専門家への相談も考慮し、しっかりとした対策を取りましょう。

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